BOT LABOさんより転載:https://botlabo.media/interview/starsystem01/

当メディアでも取り上げているチャットボット(ChatBOT)。
ユーザーの自動対応から業務自動化(RPA)など幅広く対応することが可能ですが、より効果を発揮するためには緻密な企画や設計、柔軟な運用対応が必要不可欠です。
今回はチャットボットの企画から運用までをトータルでサポートするStarSystemを提供するパルスボッツ株式会社の住谷さんにお話を伺いました。

パルスボッツ株式会社の住谷さん

パルスボッツ株式会社 住谷 優介さん

■StarSystem誕生の歴史

弊社はコミュニケーションロボットの設計と開発に強みを持っています。
Pepper(ロボット)と人のコミュニケーションを構築するうえでエンゲージメント(ロボットへの愛着心)を意識した設計のノウハウが蓄積され続けてきたため、このノウハウを様々なSaaS化・プラットフォーム化できないかと考えたことがStarSystem誕生のきっかけです。

現在はチャットボットを主として提供しておりますが、スマートスピーカーにも幅を広げることでロボットと人のコミュニケーションを支援しています。
このコミュニケーションを設計するうえで非常に重要なのが“シナリオ”です。
一言でStarSystemのチャットボットと言われれば、シナリオの設計にウエイトを置いたサービスであると言い換えることができます。

現在の市場動向では、チャットボットの需要はますます増えており、プラットフォームも次々とリリースされています。しかしどの企業様も、シナリオの設計が一番の悩みだとお話をいただくことが多いです。
“人とロボットとの間のコミュニケーション“を作り培ってきた知見を活かして、ユーザー目線に立ち企業様と一緒に作り上げるサービスがStarSystemです。

■シナリオにはペルソナ設定が必要不可欠

StarSystemが他のチャットボットサービスと異なる点は、ユーザーとチャットボットの間に入るシナリオを重要視している点です。
チャットボットは、人とロボットがコミュニケーションを取るツールなので、人がチャットボットに愛着心を感じられることが非常に重要な要素として考えています。
そのうえでシナリオには、ペルソナと言われるロボットのキャラクター設計を表に出す出さないに関わらず、バックグランドでは必ず設計しています。

シナリオは一人で構築するケースもありますが、基本は複数人でのチーム体制で構築・運用を行いますので、ペルソナ設計がないと、必ずどこかでシナリオにズレが生じてしまいます。発言内容にブレが生じると、ユーザーに違和感を与えてしまい、結果的にエンゲージメントが落ちることに繋がってしまうのです。

シナリオで積み上がるエンゲージメントを如何に高められるか。
ユーザーとのエンゲージメントを重視しているサービスは、現在StarSystemが一歩リードしていると考えています。

■ユーザー目線での設計が成功の鍵

クライアントによってチャットボットの指標はさまざまです。
HPのPVを増やしたい、コンバージョン数を増やしたいなど導入検討するうえでの課題は多岐に渡りますが最終的には“ユーザーが喜んでくれたのか”が非常に重要になります。
自分がユーザーとしてチャットボットを利用したときに面白いと思えるものにする。
当初の目的から少しズレてしまう可能性がありますが、話題になる要素を提案することもあります。

チャットボット業界で成功した一つの事例が、横浜市のゴミ分別案内チャットです。

参考:http://www.city.yokohama.lg.jp/shigen/sub-shimin/study-event/chatbot.html

本来チャットボットに期待していなかった解答を返すことによって、面白みを生み出したことがユーザーから評価された代表的な例です。

PV数を増やしたい、CVRを上げたいなどの要望には、チャットボット以外にもサービスや施策はありますし、実際指標を達成するために他のツールの方が効果が得られるのでは?と相談されることも多いです。
ですが、今までのやり方とは異なった方法で、ユーザーに「面白いっ!」と感じてもらえるコンテンツを提供できることがチャットボットの魅力だと思います。

FAQであれば検索窓で済んでしまうことも、チャットボットであれば楽しく回答まで導くことができます。
その楽しさが利用率に繋がり、最終的には導入成功の鍵になると信じています。

■酸いも甘いも経験ができた事例

以前からお付き合いのあるNTTドコモ社の『dグルメ(R)』プロジェクトでは
StarSystemにてチャットボット部分を制作しました(2018年8月現在は一時サービス終了しています)。
dグルメはNTTドコモが運営する、レシピやレストラン検索など食に関わるさまざまな情報をまとめて検索できる、会員限定グルメ系ポータルサイトです。
チャットボットの導入により、ユーザーがより簡単に、便利に検索できるようなシナリオを構築致しました。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000017734.html

実はプロジェクトを進めていく中で、当初企画していたシナリオとリリースされたシナリオは大きく異なります。
例えば選択肢制にした方がdグルメを利用するユーザーとしてはユーザビリティを向上できると踏まえ、オープニングではユーザーが“何を知りたいのか”を選んでもらう形に変更しました。
従来はユーザーが何を知りたいのかわからないケースも多く発生していたため、ユーザーに「教えて!」と問いかけるのではなく「選んで!」にすることでコミュニケーションを円滑に進めることができると考えました。
また、当初キャラクター設定はしないという話でしたが、試しにバックグラウンドで設計していたキャラクター設定の話をしたところ、導入したいと先方から頂き、ユーザーからはキャラクターが可愛いなど高評価を頂くことに繋がりました。

上記はほんの一例ですが、内容を詰めていく中で弊社が持っているノウハウやNTTドコモ社のやりたいことを何回何十回も議論を重ねた結果、ユーザーに楽しんで使っていただけるチャットボットを構築することができました。

■今後のStarSystemについて

今のチャットボットもスマートスピーカーも、まだまだ発展性のある分野だと感じています。
“できる”から作るのではなく、“ できたらいいな”からスタートしているので、企業様からの要望も出来る限りお答えできていると考えています。
今後は様々なパターンに臨機応変に対応できる体制を更に強化し、StarSystemを広めていく予定です。